新築住宅の性能評価書は、住宅の性能を国の共通ルールで比較する資料ですが、広告の等級だけで判断せず、どの評価書が交付され、何を確認したかを分けて読みます。
設計住宅性能評価書と建設住宅性能評価書を分ける

国土交通省の制度実績資料は、設計段階の図書審査をまとめる設計住宅性能評価書と、施工・完成段階の検査をまとめる建設住宅性能評価書を区別しています。
- 設計評価は図面や仕様書を基に性能を確認します。
- 建設評価は設計評価どおりの施工を現場検査で確認します。
- 設計評価だけで建設評価も取得済みとは判断しません。
- 広告の予定等級と交付済み評価書を区別します。
- 戸建てか共同住宅か、対象住戸を確認します。
完成前の物件では建設住宅性能評価書がまだ交付前の場合があるため、取得予定、検査段階、引渡し時の交付物を売主へ確認します。
完成物件では、設計評価書だけでなく建設評価書の有無と交付日、登録住宅性能評価機関名を確認します。
評価書は住宅の全品質を保証する書類ではなく、制度の対象項目と評価時点に沿った結果です。
新築の施工状態を自分でも確認する項目は新築戸建て内覧会チェックリストと分けて準備します。
必須分野と選択項目を暮らし方に合わせて読む

評価書には構造、火災、劣化、維持管理、省エネルギー、空気、光・視環境、音、高齢者等への配慮、防犯などの分野があります。
国土交通省の住宅性能表示制度ページで、購入時点に適用される新築住宅ガイド、必須・選択項目、評価書見本の最新版を確認できます。
- 構造の安定は耐震等級だけでなく評価条件を見ます。
- 劣化の軽減は構造種別と等級の対象を確認します。
- 維持管理は配管の点検・更新への配慮を読みます。
- 温熱・エネルギーは断熱と一次エネルギーを分けます。
- 選択項目は評価されていない欄を低性能と決めつけません。
等級は数字が大きいほど高い性能を示す項目が多い一方、項目ごとの費用、間取り、窓、重量、使い方との関係があります。
すべてを最高等級にすることが最適とは限らないため、地震、暑さ寒さ、光熱費、将来の修繕、音、介助動線など家族の優先順位へ置き換えます。
広告の省エネ性能ラベル、長期優良住宅、耐震等級、住宅性能評価書は関連しても同じ制度ではありません。
比較する二つの物件で評価項目や版が違う場合は、同じ欄だけを並べ、未評価を推測で補いません。
契約前に評価対象・版・引渡し書類を照合する

契約前は、評価書の物件名、所在地、住戸番号、構造、交付日、評価機関、評価書番号が検討中の住宅と一致するか確認します。
写しを受け取る場合は全ページがそろっているか、別表、変更評価、設計図書との対応を売主へ確認します。
- 設計変更が評価へ反映されたか確認します。
- 売買契約書に評価書を添付する扱いを確認します。
- 建設評価の検査回数と実施段階を確認します。
- 未評価項目と選択しなかった理由を聞きます。
- 引渡し時に受け取る原本・写し・電子データを一覧にします。
評価書と実際の窓、断熱材、設備、間取りに疑問がある場合は、契約前に売主、評価機関、建築士へ照会し、口頭回答だけでなく資料へ残します。
住宅性能評価と新築住宅の法定責任は別の確認軸なので、対象範囲は新築住宅の10年保証も参照してください。
引渡し時には評価書、確認済証、検査済証、図面、仕様書、保証書、設備説明書を同じ物件台帳で管理します。
受領時にページ数とファイル名を照合し、後から不足に気づいた場合の問い合わせ先も記録します。
将来売却や修繕で使えるよう、変更図面と建設評価書を失くさず、電子データもバックアップします。
評価書は高い数字だけを見る表ではなく、設計、施工、契約、暮らし方を同じ基準で照合するための資料として使いましょう。



